今日は歩きたいのだ
人を避けて
人通りの無い道を歩く
ウォークマンを鳴らして
自分だけの世界を造る
侮っていたわけじゃない
馬鹿にもしていない
ただ
悔しさだけが胸にくすぶって
頭を空っぽにしなきゃ泣きそうになる時を過ぎて
ゆっくり
ゆっくり
考える時が来た
自分の足元を見下ろして
ゆっくり、息をはいて
ただ見つめた
吐きそうにもなるけど
でも
それは必要なことで
理解をして
納得をする
泣きそうになる
でも泣くのは違う気がして
前も見れずに空を見上げた
寒い夜風に
熱い目元が
熱い頭が
冷やされていく
それからやっと
足元を見て
周りを見回して
前を、向く
当たり前の様に
答えなど無い
それでも前に歩を進めたかった
前に歩を進めることだけが
あたしが胸をはって生きられる道だと
そう思ったから
一つ一つ
吐きそうになりながら
泣きそうになりながら
敗因をあげて
認めて
悔しくなって
また空を見上げる
だけど
道は決まった
自分はこんなにも負けず嫌いだったのかと初めて知った
純粋に自分に腹が立って
あぁ、自分はこうも人間臭かったのかと
他人を笑えなくなった
これは
久しぶりの目に見える挫折だと
そう思った
今までは目に見えなかったから
知らないフリをして避けていたのに
こうもはっきりと突きつけられては
認めざるを得ない
本当に
悔しかった
泣きそうになった
一日中布団からでられなかった
食欲よりも頭を空っぽにすることに夢中だった
バイトでも心配された
あたしは
自分で思っていたより酷く脆かった
臆病だった
弱者だった
だから
堕ちて堕ちて堕ちて
ゆっくり考える時間が必要だった
後何度コレを経験すれば良いのかと思うと
胃が痛くなって
吐き気がした
それでも
あたしはこの道じゃなければ
楽しくないのだ
それを確認できただけでも
良かった
風が冷たくて
体が寒さを訴えているけど
さっきから鼻水が止まらなくて
風邪を引きそうだけど
街灯が邪魔して
星なんて見えないけど
台風の去った後
濃紺の空が
青くて蒼くて
深くて
暗くて
一時間歩いて考えた事は
必要な事だったと思えて
また涙が出そうになって
少しだけ、嬉しかった
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