ほんとは
一番悪い奴が誰なのか
誰より自分がよく知っていた
それでもあの時
周りには幼い奴らばかりで
あたしは嘘を被って姿を隠した
簡単だった
誰も彼も上辺のあたしを見ていた
騙すのなんて
簡単だった
痛みなんてなかった
騙される奴らが
単純で薄っぺらで滑稽で
楽しかった
あたしは嘘を演じるのが楽しかった
今は
嘘がいつばれるのかと
びくびくして
本当の自分を隠す為に
自分を必死に演じている
こうなってしまったら
一番滑稽なのはこのあたしだ
今更全てを晒すこともできず
演じなければ立っても居られないのだ
それなのに
演じきれなくて
ぽろぽろ欠片を落としていく
理想のあたしが演じられない
それは
きっとあたしに力がないから
演じきる力がないから
ぽろぽろ欠片を落としてしまう
あぁ、どうにかならないかしら
悔しい
悔しい
いつのまにあたしの力は通用しなくなっていたんだろう
それに気づかなかったあたし自身に
すごくすごく腹が立つんだ
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